"age" の進行形は "ageing" か "aging" か?

"age" という英語には「年齢」という名詞としての意味のほかに、「年を取る」という動詞としての意味もあります。

「動詞の "age" を進行形(~ing)にするときには "age" の語尾の "-e" を取らずに "~ing" を付けて "ageing" とするのが正しい」という説明を見かけますが、実際には "aging" と "-e" を取って "~ing" を付けているケースに頻繁に出くわします。 そこで、"ageing" と "aging" のどちらが正しいのかを調べてみました。

"-e" で終わる動詞を進行形にするときのルール

一般的に、"-e" で終わる動詞は語尾の "-e" を取って "~ing" をつけるとされています。 例えば、次のような具合です:

  • "love(愛する)" → "loving"
  • "hate(憎む)" → "hating"
  • "argue(議論する)" → "arguing"
  • "make(作る)" → "making"

例外

英文法書には、「"-e" で終わる動詞は語尾の "-e" を取って "~ing" をつける」というルールの例外として次の4つのパターンが記載されています:

  1. "-ie" で終わる動詞: "-ie" を取って "-ying" を付ける
    "lie(嘘をつく、横たわる)" → "lying"、"die(死ぬ)" → "dying"
  2. "-ee"、"-oe"、"-ye" で終わる動詞: 語尾に "-ing" を付けるだけ
    "see(見る)" → "seeing"、"hoe(耕す)" → "hoeing"、"dye(染める)" → "dyeing"
  3. "-inge" で終わる動詞: 語尾に "-ing" を付けるだけ
    "singe(焦がす)" → "singeing"
  4. "age": 語尾に "-ing" を付けるだけであるのが普通
    "age" → "ageing"

したがって、文法書的には "aging" よりも "ageing" のほうが正しいという位置づけです。

"age" の場合

辞書での扱い

ただし辞書を見ると、"age" の現在進行形を "ageing" と綴(つづ)るよりも "aging" と綴ることが認められているようです。

複数の英英辞典で調べたところ、"age" の進行形として "ageing" と "aging" の両方を記載している辞書が多く、中には "aging" しか記載していない辞書もあります。 逆に "ageing" しか記載していない辞書はありませんでした。 辞書の例文に使われている "age" の進行形も "aging" ばかりでした。

辞書を見る限りでは、英国の英語が "ageing" で米国の英語が "aging" であるというような使い分けも無いようです。

実際には "aging" のほうが一般的?

実際には "age" の進行形を "ageing" と綴るよりも"aging" と綴るケースのほうが多数であるようにすら思います。 例えば、PubMedと呼ばれる研究論文データベースで "ageing" と"aging" でそれぞれ検索してみると、"aging" をタイトルに含む論文の数が5万4千もあるのに対して、"ageing" をタイトルに含む論文の数は1万ちょっとでしかありません。

考えられる理由

"age" の進行形として "aging" が使われるようになった理由は、"age" の進行形として "aging" を使っても不都合が無いためでしょう。

文法書において "age" と同様に「語尾の "-e" を取らずに "~ing" をつけるだけ」とされている "dye" や "singe" の場合、"~ing" を付けるときに語尾の "-e" を取ってしまうと "dying" および "singing" となり、 "die(死ぬ)" や "sing(歌う)" の進行形と綴りが同じになって見分けがつかなくなります。

これに対して "age" は、進行形を "aging" としたところで他の動詞の進行形と見分けがつかなくなるようなことはありません。 進行形が "aging" という綴りになる動詞は "age" だけです。

こうした理由で、"dye" や "singe" は "-e" を取らずに "~ing" を付けるというルールが文法書通りに守られているのに、"age" だけは "aging" という綴りが一般化しているのでしょう。