"forget me not" の意味

"forget-me-not" は「ワスレナグサ」

"forget me not(フォゲット・ミー・ノット)" は「わたしを忘れないで」という意味の英文です。 そして "forget-me-not" というふうにハイフンでつながれると、「ワスレナグサ(勿忘草)」と呼ばれ可愛らしい花を咲かせる観賞用の園芸植物の名前になります。
「ワスレナグサ」が和名(俗名)であるのと同様に "forget-me-not" も英名(俗名)に過ぎず、学名ではありません。 ワスレナグサの学名は "Myosotis" と言います。 "Myosotis" という語は、「ネズミの耳」を意味するギリシャ語に由来しています。

「忘れな草」という意味での名詞 "forget-me-not" には複数形もあります。 複数形では、"not" の後ろに複数形を表す "-s" を付けて "forget-me-nots" となります。

"forget me not" の意味

"Forget me not." という英文は前述のように「わたしを忘れないで」という意味を表す文です。 命令文です。

"Forget me not." は古い英語の言い方で、これを現代の英語に書き直すと "Do not forget me."(あるいは "Don't forget me.")となります。

"Forget me not." と "Do not(Don't)forget me." の違いは、"Do not~"(あるいは "Don't~")の "Do" を除去して "not" だけにしたものを文末にまわすというだけのことですから、他にいくらでも同様の例はあります。

例えば、聖書にも使われている古い表現である "Fear not." は、現代英語では "Do not fear."(あるいは "Don't fear.") となります。 意味はどちらも同じで「恐れるな」ですが、"Fear not." の方は昔の表現ということで「恐れることなかれ」ぐらいに訳すと、それっぽい雰囲気になります。

また、現代においてもジョークっぽいノリで "~ not." を用いた新しい表現が作り出されています。
"E-mail me not."
「わたしに電子メールを送ることなかれ」

上の例文では、"E-mail" が「電子メールを送信する」という意味の動詞として用いられています。 上の文を現代的な表現に直すと、"Don't e-mail me." となります。

"forget-me-not" → 「ワスレナグサ」の経緯

「ワスレナグサ」という植物名は "forget-me-not" を日本語に置き換えたものです。 川上滝弥という明治時代に活躍した植物学者が "forget-me-not" という英名から「ワスレナグサ」という和名を考案しました。

「"forget me not" が『忘れるな』という意味である」という点と「"forget-me-not" が植物である」という点から、「忘れるな+草=ワスレナグサ」としたのは想像に難くありません。

"forget-me-not" の花言葉

"forget-me-not(ワスレナグサ)" の花言葉は、「真実の愛」と「わたしを忘れないで下さい」です。 これらの花言葉は、"forget-me-not" という植物に込められた「わたしを忘れないで」という意味に由来しています。

"forget-me-not" という英名の由来

"Forget me not.(わたしを忘れないで)" という表現が "forget-me-not" という花の名前に使われるようになった由来はドイツにあります。 つまり、英語の "forget-me-not" もドイツ語からの輸入だというわけです。

ドイツの伝承①

ドイツ神話において神が全ての植物に名前を付けていたとき、まだ名前を与えられていない小さな植物が「神様、わたしを忘れないで!」と叫びました。 そこで神は「よし、それをお前の名前にしよう。 今日からお前は "forge-me-not" だ」と応じました。

ドイツの伝承②

似たような話に次のようなものがあります。 創造神がすべての花の色を決定し終えたと思ったとき、「わたしを忘れないで」という小さなささやき声が聞こえました。 残っている色はごく少量の青色だけだったのですが、ワスレナグサは喜んでその淡い青色を身にまといました。

ドイツの伝承③

15世紀のドイツでは「花をその身に付けた者は恋人に忘れられることが無い」と考えられていました。 そんな時代に1人の騎士と貴婦人が川岸を散歩していて、川辺に花が咲いているのに気が付きました。

そこで騎士は貴婦人のために花を摘んだのですが、着ていた鎧の重さのために川に落ちてしまいました。 鎧の重さゆえに溺れつつも騎士は、摘んだ花を貴婦人に放り投げ「わたしを忘れないでくれ」と叫びました。