"Higher Climber" の意味

"higher" と "climber" それぞれの意味

"higher(ハイヤー)" には「~より高い・比較的高い」という意味があります。 "climber(クライマー)" には「登る人・登る動植物」という意味があります。

"higher" は「高い」という意味を持つ "high" という形容詞の比較級で、 "climber" は上るという意味を持つ "climb(クライム)" という動詞から作られた名詞です。

"Higher Climber" の意味

"Higher Climber" の使われ方を調査してみたところ、"Higher Climber(ハイヤー・クライマー)" は主に次のような意味で使われます:
  1. (登山において)崖や坂で自分よりも上の場所を登っている人、ハシゴなどで自分よりも上の場所を登っている人
  2. (ほかの動物に比べて)山の高い場所まで登る動物
  3. (ほかの植物に比べて)背が高く育つ植物、高くまでツルが伸びる植物

例文

"...the boy was struck on the back of the head when a rock loosened by a higher climber rolled down the mountain..."
(その少年の後頭部に、上方にいる登山者のせいで転がり落ちた岩が当たった)
"A handgun barked from lower on the ladder, but the climber had to shoot onehanded and off balance on a rung while aiming around a higher climber."
(ハシゴの下のほうから拳銃を打つ音がしたが、発砲者は片手でハシゴに掴まってバランスを崩した体勢で、ハシゴの上方を登る者に狙いをつけねばならなかった)
"The mountain goat is a higher climber than the mountain sheep..."
(シロイワヤギは、山岳地域にすむ羊よりも高い場所まで登る
"Wild yak mothers found to be higher climbers than their male counterparts."
(子持ちのメスの野生のヤクは、オスのヤクよりも高い場所まで登る
"Perhaps I should have planted a higher climber there so it would be sure to reach the deck."
(この場所には、もっと背が高くなる植物を植えるべきだったかもしれない。 バルコニーの床にまで確実に届くように)

"Higher Climber" は比較対象が必要

上記の例文を見てもおわかりのように "higher climber" は、いずれの意味においても「他の何かに比べて」という状況で用いられる表現です。

"higher climber" の "higher" は「高い」という意味の "high" という形容詞の比較級です。 比較級は比較対象が存在する場合に用いられますから、"higher" という比較級が使われるには比較対象が必要です。

上記の最後の例文では比較対象が文中に登場していませんが、「現在すでに植えてしまっている植物」が比較対象となります。

2種類の "Higher Climber"

上記の5つの例文が2種類に分けられることにお気づきでしょうか? 1つは「自分よりも高い場所を登っている人」を意味するタイプの例文で、もう1つは「高い場所まで登る動物/植物」というタイプの例文です。

話をわかりやすくするため、「登っている人」というのと「動物/植物」というのを、まとめて「クライマー」に置き換えて考えると次のようになります:
a climber that is at a higher place(高いのはクライマー自身)
a climber that climbs to a higher place(高いのはクライマーではなく場所)

自然な意味は前者

"higher climber" という言葉で無理なく提示できるのは、「自分よりも高い場所を登っているクライマー」というほうの意味でしょう。

"higher climber" という言い方において "higher" が修飾しているのは "climber" ですから、"higher" というのがクライマー自身の性質であって、「climber = higher」という関係が成立すべきです。

自分よりも高い場所を登っているクライマー」のほうでは、「比較的高い」というのがクライマーの性質の1つとなっています。 "at a higher place(高い場所にいる)" というのがクライマーの状態を表しているためです。 したがって、「climber = higher」という関係が成立します。

これに対して、「高い場所まで登るクライマー」のほうでは、「比較的高い」がクライマーではなく場所の性質を現しています。 「高い」のは場所のほうであって、クライマーのほうではありません。 したがって、「climber = higher」ではなく「place = higher」なのです。

"higher" であるのが本当は "place" なのに、"place" ではなく "climber" を "higher" と形容するというのはおかしな話です。 したがって、"higher" が "place" という場所を修飾している「高い場所まで登るクライマー」というほうの意味は、厳密には正しくない表現だと考えられます。

後者も理解は可能

しかしそれでも、状況や文脈で "higher climber" に関して十分な情報が提供されていれば、"higher" が "climber" ではなく "place" をアクロバティックに修飾していることが情報の受け取り手に伝わるでしょう。

「HOWL BE QUIET」というロックバンドが歌う "Higher Climber" は、「高い場所まで登るクライマー」のほうの意味でしょう。

"Higher Climber" は固定的な表現ではない

"higher climber" という表現は 「"higher" + "climber"」という組み合わせで固定的に用いられる慣用表現ではありません。 "higher climber" に備わる意味は "higher" の意味と "climber" の意味を単純に組み合わせたときに生じる以上のものでしかありません。

したがって、"higher climber" が何を意味するかも、文脈や周囲の状況に大きく左右されます。 "higher climber" という表現だけをいきなり持ってきて、それで情報の受け取り手に伝わるような固有の意味は "higher climber" には備わっていません。

ひょっとしたら、つるバラの愛好家の間で "higher climber" は「高くまで届くつるバラ」というくらいの意味で定着しているかもしれませんけれど。