"including, but not limited to..." とは

"including, but not limited to..." の意味

契約書の英語に頻出する "including, but not limited to..." という表現ですが、その基本的な意味は "including..." と同じで「~など」というものです。
"including..." は "such as..." と同じ意味で、「~など」という意味です。 "but not limited to..." という部分は「...に限らない」という意味になります。

"including, but not limited to..." の成り立ち

"including, but not limited to..." という表現は "include ~ but is not limited to..." の "include" という表現が変化してできたものです。 この変化は、次の3つのステップによります。

ステップ1

"Fruits are not always delicious. Such fruits include apples, bananas and grapes. But the fruits are not limited to apples, bananas and grapes."
(果物は必ず美味しいというわけではない。 ここでいう果物にはリンゴやバナナ、ブドウを含む。 しかし、これらの果物がリンゴやバナナ、ブドウに限られるわけではない)
↑のステップの2つ目と3つ目の文が合体して、↓の文になります:

ステップ2

"Fruits are not always delicious. The fruits include, but are not limited to, apples, bananas and grapes."
(果物は必ず美味しいというわけではない。 ここでいう果物にはリンゴやバナナ、ブドウを含むが、リンゴやバナナ、ブドウには限られない)
↑のステップの2つの文がさらに合体して、↓の文になります:

ステップ3

"Fruits including, but not limited to, apples, bananas and grapes are not always delicious. "
(リンゴやバナナ、ブドウなど(ただし、リンゴやバナナ、ブドウには限られない)の果物は必ず美味しいというわけではない)
↑の訳文は最終的に、↓のように訳すことができます:
「リンゴやバナナ、ブドウなどの果物は必ず美味しいというわけではない。」

結論

結論を言うと、"including, but not limited to..." は単純に「~など」と訳して問題ありません。 "including..." と "including, but not limited to..." は同じ意味になります:
"Fruits including apples, bananas and grapes are not always delicious. "
(リンゴやバナナ、ブドウなどの果物は必ず美味しいわけではない)

ことさらに "but not limited to..." と付け加える理由を以下に述べます。

"but not limited to..." の必要性

"including..." と「...など」の微妙な違い

英語の "including..." をそのまま日本語にすると「...を含んで」という意味になります。 英英辞典で "include" の意味を調べても同様に、「何かの一部を形成する」という定義が記載されています。

このような "including..." の意味は「...など」という日本語の表現に相当すると考えて差し支えないはずですし、日常的な感覚では差し支えありません。

しかしながら、 論理学的な厳密さで両者を比較すると、その意味はイコールではありません。 「...など」では「...」に挙げた以外のモノが確実に存在するのに対して、「...を含んで」は厳密に論理的に考えると「...」に挙げた以外のモノが存在しない可能性もあるからです。

"including" がこのように使用されている実例を挙げておきましょう:
"Researchers surveyed 292 undergraduate students, including 157 women and 135 men."
(研究チームは292人の大学生を調査した。 このうち157人が女性で、135人が男性だった)

157+135=292ですから、"including" が指し示す内容だけでデータの全てだということになります。

微妙な違いが問題となることも

ビジネスの契約などで利害関係に対立が生じた場合には、上記のような「日常的な感覚」と「厳密な論理」との隙をついて重箱の隅をつつくような議論を引き起こすことも可能です。

そういう隙を埋めるための予防的な措置が "but not limited to..." です。
"Such functions include, but not limited to, A, B, and C."
(その機能にはA、B、およびCが含まれるが、それらに限定されない)
「それらに限定されない」とは、「AとBとC以外のものも含まれることがある」という意味です。

結論

つまり、日本語の「~など」と厳密にイコールなのは "include(including)..." よりもむしろ "including(include), but not limited to..." の方だということになります。

バリエーション

"include(including), but not limited to," はカンマが無いこともあります:
"Fruits including but not limited to apples, bananas and grapes are not always delicious."
カンマの変わりに括弧が使われることもあります:
"Fruits including (but not limited to) apples, bananas and grapes are not always delicious."
"名詞 + including without limitation" という表現もあります。 意味は "名詞+including, but not limited to" と同じです。