「レッド・スパロー」の意味。 そこに込められた意味は?

「レッド・スパロー」という映画が 2018年3月に日本で公開されますが、この「レッド・スパロー」とはどういう意味なのでしょうか?

「レッド・スパロー」は "red sparrow"

「レッド・スパロー」は "red sparrow" という英語をカタカナで表記した言葉です。

映画「レッド・スパロー」の原題(元の英語のタイトル)が "Red Sparrow" なので、「レッド・スパロー」という邦題(輸入映画の日本語のタイトル)は原題のアルファベットをカタカナに置き換えただけのものであるということになります。

"red sparrow" の意味

"red sparrow" は「赤いスズメ」という意味です。 "red" が「赤い」という意味の形容詞で、"sparrow" が「スズメ」という意味の名詞です。 このスズメとはチュンチュンと鳴く小鳥の雀のことです。
ちなみに、燕(ツバメ)は英語で "swallow" といいます。

"sparrow" の定義

"sparrow" という英語は、スズメ目(なかでも特に passeroidea 上科)に属する小鳥のうちスズメに似た茶色系あるいは灰色系の小鳥全般を指します。

英国で「スズメ」と呼ばれているのは恐らく主に Passer domesticus(house sparrow、イエスズメ)と呼ばれる種類のスズメですが、Passer domesticus は日本には生息していません。 日本に生息するスズメは Passer montanus という種類です。 "Passer montanus" を辞書で調べると「ユーラシアスズメ」と載っていますが、"montanus" とあるので「ヤマスズメ」という感じでしょうか。

Passer montanus は英国を含む欧州全域にも生息しており、英名を Tree sparrow(キスズメ)といいます(ユーラシアスズメが学名であるのに対して、キスズメは英語圏で一般的に用いられる通称)。 イエスズメが都会に住むのに対して、キスズメは田園地帯に住みます。

米国ではイエスズメが人為的に運び込まれて定着しています。 キスズメも人為的に運び込まれましたが、あまり定着していません。 北米(米国とカナダ)で「スズメ」は主にチャガシラヒメドリ(Spizella passerina)と呼ばれる小鳥などを指すとしている辞書もあります。 チャガシラヒメドリはイエスズメやキスズメと同じ passeroidea 上科に属しますが、イエスズメやキスズメとと違って passeridae 科ではなく passerellidae 科の小鳥です。

映画「レッド・スパロー」における "sparrow"

映画「レッド・スパロー」では、女スパイを指し示す隠語として "sparrow(スズメ)" という語が使われているようです。

辞書で "sparrow" の項目を調べても「女スパイ」という意味は載っていませんから、"sparrow" を「女スパイ」の意味で使うというのは、映画 "Red Sparrow" の原作にあたる同名小説 "Red Sparrow" の作者による創作か、あるいは諜報業界でのみ通用し辞書にも載っていない用法なのでしょう。

原作者はCIA(米国の諜報機関)の局員というキャリアの持ち主なので、諜報業界で本当に女スパイのことを「Sparrow(スズメ)」と呼んでいるのかもしれませんね。

"red" の意味

"red" すなわち「赤色」は社会主義や共産主義を象徴する色です。

赤色は18世紀のフランス革命の頃から革命の象徴とされてきました。 革命で流された血の色の象徴として、革命時に使用される旗の色に採用されたのです。

そして、それは19世紀の社会革命においても同様だったので、旧ソビエト連邦(現在のロシア)や中国の国旗は赤色になりました。 その結果、「赤」は社会主義や共産主義を暗示する色として世界的に認知されるようになっています。

映画「レッド・スパロー」がロシアの女スパイの物語であるために「レッド」という言葉が入っているのでしょう。 ロシアの国旗は旧ソビエト連邦(ソ連)の国旗と違って赤一色ではなく白・青・赤の各色が横に3段に並ぶという図柄ですが、「ロシア=ソ連」という印象が残っているのだと思われます。

"red sparrow" に込められた意味

上記を踏まえると、"red sparrow" には「ロシアの女スパイ」という意味が込められていると考えられます。