1. 英語での名称
「くまのプーさん」は英国の作家アラン・アレクサンダー・ミルン(1882~1956年)が考案したキャラクターで、英語での正式名称は "Winnie-the-Pooh" です。 "Pooh Bear" とも呼ばれます。
"Winnie-the-Pooh" はミルン氏の息子であるクリストファー・ロビン・ミルンくん(1920~1996年)が自分のクマのヌイグルミに付けた名前です。 息子のヌイグルミの名前を自分の作品に登場させたわけです。
余談ですが、 2018年に日本で公開された映画『プーと大人になった僕』の主人公「クリストファー・ロビン」のモデルはミルン氏の息子クリストファーくんです。
"Winnie" と "Pooh" の由来を以下に述べます。
2. "Winnie" の由来
"Winnie" とは、1915~1934年にかけてロンドン動物園で飼われていたメスの黒クマの名前です。 何度も訪れた動物園で "Winnie" を気に入っていたクリストファーくんは、自分のクマのヌイグルミの名前として "Winnie" を採用しました。
黒クマの名前 "Winnie" の由来
動物園で飼われていた黒クマの名前 "Winnie" の由来は、"Winnipeg" という町(カナダのマニトバ州の州都)の名前です。
黒グマを動物園に引き渡したカナダの兵士(獣医師でもあった)の故郷の町が "Winnipeg" でした。 この兵士は、猟師が殺した母グマの子グマ(動物園に来た当初は子グマだった)を売っているのを買い取りました。
補足
- "winnie" に「クマ」や「子グマ」という意味はありません。 "Winnie" という言葉は人名("Winston" などの愛称)として使われるぐらいです。 英語で「クマ」は "bear" ですし、「子グマ」は "cub" です。
- 「くまのプーさん」という日本語は "Winnie-the-Pooh" ではなく "Pooh Bear" を訳したものでしょう。
3. "Pooh" の由来
作品外での由来
"Pooh" という名前の由来はミルン氏親子が公園で出会った白鳥の名前だそうです。 詳細は不明です。
作中での由来
くまのプーさんが「プー」と呼ばれるようになった作中の説明としては、寓話「くまのプーさん」の第一章に次の描写があります:
でもクマさんの両腕はたいそう強張っていて、空中にまっすぐ伸ばしたまんまの状態が1週間を超えるほども続いてた。 だから、ハエが鼻に止まっても手でハエを追い払うことができず、口から息を吹いて追い払わなくちゃならなかったんだ。 たぶんなんだけど、それが理由で「プー」と呼ばれるようになったんだと思う
But his arms were so stiff ... they stayed up straight in the air for more than a week, and whenever a fly came and settled on his nose he had to blow it off. And I think – but I am not sure – that that is why he is always called Pooh.
「口から息を吹く」というのが「プー」っと吹くということなのでしょう。
英語の "pooh" には「うんち(をする)」という意味もありますが、くまのプーさんとウンチは無関係です。