1. 英語に戻すと
「ハードコア」も「ハード・コア」も英語に戻すと "hard-core" です。 "hardcore" や "hard core" とも表記されます。
2. "hard-core" の意味
2.1. 名詞としての意味
- (社会的な主義主張を行うなどの)グループや組織(政党など)の中核を成す人たち。 その集団の趣旨に忠実で、容易に姿勢を変えることがなく集団の性質の維持に寄与する。
- 1つの社会における保守派層。変化を好まない。
- パンク・ロックの一種。 メロディーよりもリズムを重視する荒々しい音楽。
- テンポがとても早いダンス・ミュージック。
- 道路などの建設において基礎として用いられるレンガの破片や石。
用例
the hard core of the separatist movement
独立運動の中核を成す人たち
2.2. 形容詞としての意味
- (主義主張などで)筋金入りの、ガチガチの、狂信的な、考えを変えない、譲歩しない、非妥協的な、慢性的な
- (ポルノ作品に関して)性的な行為を露骨に描いた
- 〈俗語〉 ことさらに激しい、危なかったり奇抜だったりで刺激的な、外見が暴力的な、強烈さや危なさがカッコいい
用例
a hard-core Communist
筋金入りの共産主義者
hard-core unemployment
慢性的な失業
# 長期間にわたり仕事をしていない人の状態。 仕事を探す気がない恐れも。
3. カタカナ語「ハードコア」の意味
3.1.「ハードコア」の意味
国語辞典『デジタル大辞泉』は「ハードコア」の意味として次の意味を記載します:
- 中核。中心となる部分
- 集団や組織の中の強硬派
- 音楽で、従来よりも過激で荒々しい表現法のもの
3.2.「ハードコア・ポルノ」の意味
また、「ハードコア・ポルノ」の項に次の意味を記載しています:
- 極端に露骨なポルノ映画やポルノ小説
4. 英語 "hard-core" とカタカナ語「ハードコア」
4.1. 名詞の場合、形容詞の場合
上記から、英語の "hard-core" とカタカナ語の「ハードコア」の関係について次の2つが言えます:
- 名詞としてのカタカナ語「ハードコア」は名詞としての英語 "hard-core" と意味がほぼ同じ。
- 形容詞としてのカタカナ語「ハードコア」は形容詞としての英語 "hard-core" の意味のうち「性的な行為を露骨に描いた」の意味しか持たない。
4.2. 国語辞典は現実を反映しているのか?
ただ、『デジタル大辞泉』が記載するカタカナ語「ハードコア」の意味は、日本における実際の使われ方ではなく英語 "hard-core" の定義を和訳しただけという印象を受けます。 カタカナ語「ハードコア」を「集団や組織の中の強硬派」という意味で使うでしょうか?
わたし個人の感覚では、カタカナ語「ハードコア」の使用は、やはりポルノ作品関連がメイン。 それ以外の場面で「ハードコア」というカタカナ語を見かけても、恥ずかしながら意味を理解できません。
ただ、「コアなファン」という言い方に聞き覚えがあり、この「コア」は「ハードコア」の省略かもしれません。 省略元に当たる「ハードコア」は「中核的な、筋金入りの」の意味でしょう。
5. "hard-core" の成り立ち
- "hard-core" の "hard" は「固い」の意味でしょう。
- "core" には「核」という意味があります。
- したがって "hard-core" の基本的な意味は、「中心に存在する(容易に変動しない)固い部分」つまり「中核」です。