質問: ディズニー映画「マレフィセント」の「マレフィセント」とは、一体どういう意味ですか?
回答: 「邪悪な、悪意のある、有害な」という意味です。
詳しくは以下をご覧ください。
1. 英語に戻すと
「マレフィセント」を英語に戻すと "maleficent" です。
"maleficent" は形容詞で、意味は「邪悪な、悪意のある、有害な」です。
2. ディズニー作品における「マレフィセント」
2.1.「マレフィセント」はキャラクター名
ディズニー映画の「マレフィセント」はキャラクター名です。(1)
マレフィセントがキャラクターとして初めて登場するのは、米国で 1959年に公開されたディズニーのアニメ映画『眠れる森の美女』。 悪い魔女(2) としてマレフィセントが登場します。
(1) 形容詞 "maleficent" を、"Maleficent" という人名(キャラクター名)にした。
(2) 種族は妖精。2.2. もともとは悪役
アニメ映画『眠れる森の美女』に登場する魔女マレフィセントは悪役です。 オーロラ姫の洗礼式に自分が呼ばれなかったことに腹を立ててオーロラ姫に呪いをかけます。
マレフィセントがかける呪いは次の通り:
姫は美しく優雅に育つが16歳の誕生日に糸車で指を刺して死ぬ。
ですが、洗礼式に出席していた妖精メリーウェザーの祝福によりマレフィセントの呪いは緩和され、次の作用へと減じられます。
死ぬのではなく深い眠りに陥(おちい)る。 真に愛する人(i.e. 王子様)のキスを受けると目覚める。
2.3.「マレフィセント」が主人公に
ディズニーの実写映画『マレフィセント』や『マレフィセント2』では、マレフィセントが主人公。 『眠れる森の美女』でヴィランだった悪い魔女がスピンオフ作品で主人公として扱われます。
実写映画『マレフィセント』は、次のようなストーリーに仕立てられています:
魔女マレフィセントは本当は善人。 「眠れる森の美女 」で彼女が取った行動は表面的には邪悪だったが、実はそれなりの理由があった...
3. ディズニー以前の作品におけるマレフィセント
3.1. La Belle au bois dormant
1959年に公開されたディズニーのアニメ映画『眠れる森の美女』は、フランス人作家 Charles Perrault が 1697年に発表した物語『La Belle au bois dormant(Sleeping Beauty)』に基づきます。
しかし、"La Belle au bois dormant" に「マレフィセント」というキャラクターは登場しません。 「マレフィセント」のベースとなったキャラクターは、ゴッドマザーとして登場する「邪(よこしま)な妖精」。 ですが、この邪な妖精に名前はありません(単に「年老いた妖精」と呼ばれる)。「ゴッドマザー」とは「洗礼時に洗礼される子供の後見人となる女性」のことです。 参考記事:「ゴッドファーザー」の意味は? マフィアとの関係は?
"La Belle au bois dormant" には妖精のゴッドマザーが8人登場し、そのうちの1人が「マレフィセント」に相当する「邪な妖精のゴッドマザー」。"La Belle au bois dormant" の起源
"La Belle au bois dormant" はイタリアの詩人 Giambattista Basile が著した民話集『The Pentamerone』に含まれる民話『Sole, Luna, e Talia』に基づきます。
『La Belle au bois dormant』に「悪い魔女」に相当するキャラクターは登場しません。3.2. Little Brier Rose
附録:『Sole, Luna, e Talia』の詳細
タイトルの意味
"Talia" は主人公の名。 "Sole" と "Luna" はイタリア語で「太陽」と「月」を意味する。 だが、ここでは人名。 "e" は英語の "and" と同じ意味。
あらすじ
『Sole, Luna, e Talia』の内容は次の通り:
「タリア(Talia)」は領主の娘。 糸車にちょっかいを出し、亜麻の棘(とげ)が指と爪の間に刺さり死んだような眠りに就いた。 父親はタリアを、とある邸宅に保管する。
時が経ち、狩りで近くまで来た王様が自分の鷹に導かれるようにしてタリアを発見。 タリアの美しさに感動し、眠るタリアと交わる。 タリアは懐妊し9ヶ月後に双子(女児と男児)を生む。
生まれた子供がいくらか育ったある日、乳飲み子(女児のほう)がタリアの乳首を見つけ出せないのに苛立ち乳首の代わりに指を吸い、それで棘が抜けてタリアは目覚める。
タリアは双子を「ソレ(Sole)」および「ルナ(Luna)」と名付けた。 おりしも王様が再び館を訪れ、タリアと愛し合うように。 だがしかし! 王は既婚だった。 女王は王が寝言でタリアと双子のことをつぶやくのを聞きとがめ、王の秘書からタリアと双子の存在を突き止めた。 王女は双子を殺して王様に食わせようと企む。 でもコックが機転を利かして双子を救い、王には子羊の肉を食わせる。
次に女王はタリアを宮廷に呼び出し、焚き火を用意してタリアを焼き殺そうとする。 タリアは上物の服を脱いで良いかと女王に尋ね、女王はこれを許可。 タリアの衣服を飾る黄金や真珠が惜しかったので。 タリアは服を1枚脱ぐたびに嘆き声を上げる。 それを聞いて駆けつけた王様。 女王から事のしだいを聞き、女王と秘書とコックをタリアの代わりに焼き殺せと命じる。 コックは双子が無事であると王に告げ焼き殺されるのを免れ、侍従に取り立てられる。 王はタリアと結婚。