目次
1.「レンチン」の意味
1.1.「レンチン」は略語
「レンチン」は「レンジでチンする」を略した表現です。
1.2.「レンジでチンする」の意味
それでは、「レンジでチンする」とは一体どのような意味でしょうか?
- レンジ ・・・「電子レンジ」を意味する名詞
- チンする ・・・「電子レンジで加熱調理する」を意味する動詞。 電子レンジによる加熱が終わったときに電子レンジが「チーン」という音を立てて報せてくれることに由来する。
上記から、「レンジでチンする」の意味は「電子レンジで加熱調理をする」です。
1.3.「レンチン」の意味
「レンチン」は「レンジでチンする」の略。 「レンジでチンする」の意味が「電子レンジで加熱調理をする」。 そうすると「レンチン」の意味は...
そう、「電子レンジによる加熱調理」です。
2.「レンチン」の使用例
3.「レンチン」と「チン」の違い
3.1. それぞれの長所と短所
簡便さでは「レンチン」より「チン」が勝ります。 「レ・ン・チ・ン」と言うより「チ・ン」と言う方が労力が遥かに少なくて済みます。 およそ1/2の労力です。
ですが、利用できる場面の広さでは「レンチン」が勝ります。 「チン」の代わりに「レンチン」は必ず使えますが、「レンチン」は「チン」の代わりに使えないことがあります。
例えば、「チンするだけの簡単レシピ!」の「チン」を「レンチン」に置き換えても問題は生じません。 ですが、「レンチンだけの簡単おかず」を「チンだけの簡単おかず」としたり「レンチンで済ませちゃおう」を「チンで済ませちゃおう」としたりすると違和感があります。
この違和感の原因は、「チン」という表現がもっぱら「チンする」という動詞で使われることにあります。 つまり「チン」は「チンする」という動詞で使われる場合に限り、「電子レンジによる加熱調理」という意味だと即座に了解されるのです。
3.2.「チン」は依存的
上記はあくまでも基本。 実のところ、「チンする」以外でも「チン」は「電子レンジによる加熱調理」の意味で使われ得ます。 ですが、それは状況や文脈から電子レンジの関与が明らかである場合に限ります。
例えば「チンでお願いします」という表現だけを見て最初に思い浮かぶのは「犬の話? それともシモネタ?」です。 これが「調理方法はいかがなさいますか?」との問いに対する答えであれば、「チンでお願いします」でOKです。 電子レンジの話だと分かりますので。
「チンする」以外の「チン」は文脈や状況に依存する表現なのです。
3.3.「レンチン」は自立的
文脈や状況に依存する「チン」と違って、「レンチン」は「チン」の前に「レン」が付いているので犬の話やシモネタと誤解される心配がありません。 状況や文脈に関わらず安定的に自己の意味を主張できます。
3.4. 比較
このことは、道端で見ず知らずの通行人に「チンでお願いします」と言ったときと「レンチンでお願いします」と声を掛けたときの反応を比較すると良く分かります。いずれにしても変質者と思われるわけですが、「レンチンでお願いします」と言ったときには少なくとも「レンチン」が何を意味するかが相手方に正しく伝わっています。 これに対して「チンでお願いします」と言ったとき、言われた人は「チン」の意味を特定できていません。