映画『クライ・マッチョ』のタイトルの意味を教えて!

質問: クリント・イーストウッドの映画『クライ・マッチョ』。 この映画タイトルは、どういう意味ですか?

回答: 意味が2つあると思われます。

以下をご覧ください。

1. 英語のタイトル

『クライ・マッチョ』の原題は『Cry Macho』です。

2. タイトルの2つの意味

2.1. 1つ目の意味

"Macho" はニワトリの名前

映画『Cry Macho』には "Macho" という名の雄鶏(*) が登場します。 『Cry Macho』の "Macho" は、この雄鶏を指すはずです。
(*) 主要キャラクターの1人である少年「ラフォ」が飼う闘鶏用のニワトリ。

命令文

"Cry Macho" は命令文で、雄鶏である "Macho" に対して「鳴け(泣け)」と命じていると考えられます。 "Cry" が動詞で、"Macho" は呼びかけの相手です。
カンマを補うと、"Cry, Macho."。

そういうわけで、"Cry Macho" のとりあえずの意味は「鳴くんだ、マッチョ」です。

2.2. もう1つの意味

クリント・イーストウッドの言葉

『Cry Macho』のトレイラー(映画紹介の映像)で、クリント・イーストウッドは次のように述べています:
"This macho thing is overrated. Just people trying to be macho to show that they’ve got grit. That's about all they end up with."
「このマッチョという概念は過大評価されている。 人々はガッツがあると示すためにマッチョであろうとし、それに終始している」

したがって、『Cry Macho』の "Macho" は、この "macho" の意味も兼ねるでしょう。

"macho" とは?

英語の "macho" には形容詞と名詞の意味があります:

  • 《形容詞》・・・ 男らしい(勇敢である、タフである、感情を表に出さないなど)
  • 《名詞》・・・ 男らしい人、マッチョな人
また、「マッチョであろうとすること」は「マチスモ(machismo)」と呼ばれます。
"macho" も "machismo" もスペイン語に由来する言葉。 スペイン語の "macho" の意味は「雄(の)、男らしい」など。

「泣け、マッチョ」

マチスモでは感情を表に出さないのを良しとします。 泣くなどもってのほかです。

『Cry Macho』というタイトルは、そんなマチスモを否定して、マッチョな人に対し「泣け(感情を表に出せ)」とも言っているのでしょう。
"cry" には「泣く」の意味も「鳴く」の意味もあります。

3. 映画の原作

映画『Cry Macho』の原作は同名の小説『Cry Macho』です。

小説『Cry Macho』はもともとは映画の脚本として書かれた作品で、そのときのタイトルは単に『Macho』でした。

脚本用として書かれた『Macho』はどの映画会社にも買ってもらえず、作者であるリチャード・ニッシュは脚本『Macho』を小説『Cry Macho』として書き直しました。

小説『Cry Macho』は好評で、複数の映画会社に「映画の原作として用いたい」と声を掛けられました。 そのうちの一社にリチャードは原作の権利を売却し、小説を脚本化するよう求められたので、当初に脚本用として書いた作品『Macho』を一字一句変えずに渡したそうです。

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