浜崎あゆみさんの曲に「æternal」というタイトルのものがありますが、「æternal」とはどういう意味でしょうか?
1. "æternal" は "eternal"
"æternal" や "aeternal" は "eternal" という英単語と同じ意味だと思われます。(後述)2. "eternal" の意味
"eternal" には形容詞としての意味と名詞としての意味があります。
2.1. 形容詞としての意味
- 永遠の、不変の
- (神に関わる事柄で)終わりも始まりもない、常に存在する
- 途切れることのない、絶え間のない、継続的な
- 果てしない、いつまでも終わらない、エンドレスな
2.2. 名詞としての意味
- 時を超越したもの、終わることがないもの、途切れることがないもの
- (定冠詞を付け大文字で始める "the Eternal" で)神
3. "æternal(aeternal)" と "eternal" の関係
冒頭で「"æternal(aeternal)" は "eternal" と同じ意味」と書きましたが、それは "eternal" の語源がラテン語の "aeternālis" だからです。
ラテン語 "aeternālis" が英語に輸入されて "eternal" となる過程において、"aeternālis" の先頭の "a-" が落ちたのだと考えられます。
この曲の作詞を担当した(そしておそらくタイトルも決定した)浜崎あゆみさんがタイトルを決めるときに何らかの理由で、"aeternālis" から "eternal" になるときに省かれた "a-" を復帰させて "aeternal" としたのでしょう。
"aeternal" は "eternal" と綴りが違うだけで意味は同じと考えて良いでしょう。
3.1. 語頭の "ae-" の扱い
"ae-" で始まる英単語の語頭の "a-" の扱いは様々です。
例えば、「永遠」を意味する英語の名詞 "eon" は "aeon" とも綴(つづ)れます。
また、「美的な、美術に関する、審美的な」などの意味を持つ英単語 "aesthetic" は先頭に "a-" が付いていますが、これを "a-" を落とした "esthetic" と綴ることもあります。3.2. "æternal" という言葉は存在しない
"aesthetic" の場合は「語頭の "a-" が残っているのが主流で外すのもOK」という扱いですし、"eon/aeon" の場合は「語頭に "a-" を付けても付けなくてもOK」という扱いです。
しかし、"eternal" の場合は語頭の "a-" の痕跡が語源に残るのみで、"aeternal" という綴りの選択肢が辞書に記載されていません。
つまり "æternal" という綴りの語は、英語の単語としては存在しません。 英語以外のイタリア語でもフランス語でもスペイン語でも、"eternal" に相当する語の語頭に "a-" は付きません。 辞書の語源の説明を見ると、古フランス語の時点ですでに "eternel" という具合に語頭から "a-" が落ちていました。
したがって、"æternal" は(綴り的には)既存の言葉ではないでしょう。