2019年に公開された映画「ジョン・ウィック パラベラム」。 このタイトルは一体どういう意味でしょうか?
1.「ジョン・ウィック パラベラム」の意味
「ジョン・ウィック パラベラム」は「ジョン・ウィック」と「パラベラム」に分けられます。
それぞれの意味を以下に示します。
1.1. ジョン・ウィック
「ジョン・ウィック」は人名です。 主人公の名前が「ジョン・ウィック」です。
1.2. パラベラム
「パラベラム」を英語に戻すと "Parabellum" です。
"Parabellum" は "para bellum" というラテン語に由来します。
ラテン語 "para bellum" の意味は「戦争の用意をせよ」。
1.2.1. "parabellum" の用途
"parabellum" は英語の語彙として一般的ではありませんが、銃器や弾薬などの製品名として使用されます:
- Parabellum MG14 ・・・ 口径 7.92mm のマシンガン。 第一次世界大戦で使用された
- Pistol Parabellum ・・・「ルガー」という通称で知られる拳銃
- 7.65×21mm Parabellum ・・・ 拳銃の銃弾(弾薬筒)
- 9×19mm Parabellum ・・・ 拳銃の銃弾(弾薬筒)
"parabellum" はロックバンドの名前にも使われます。
1.2.2.「ジョン・ウィック パラベラム」の場合は?
映画「ジョン・ウィック パラベラム」の「パラベラム」は「拳銃の銃弾(弾薬筒)」の意味でしょう。
この映画にマシンガン「Parabellum MG14」は登場しない感じですし、「ルガー」も今では生産されていません。 しかし Wikipedia によると「9×19mm Parabellum」は現在でも生産されています。
1.2.3. "para bellum" の由来
"Si vis pacem, para bellum" の和訳は「平和を望むなら戦争の準備を整えよ」。 その意味するところは「平和を維持するには、防衛のための軍備を怠らないのが一番だ」。
"Si vis pacem, para bellum" と同じ思想は、古代ギリシャの哲学者プラトン(紀元前427~紀元前347年)の著作や古代中国の司馬遷が紀元前91年頃に著した『史記』にも見られます。
ドイツのDWM社(1896年設立)が "Si vis pacem, para bellum" の "para bellum" の部分を自社の製品の名称に用いたのが、上述の Parabellum MG14 などです。
2.「ジョン・ウィック パラベラム」の原題
「ジョン・ウィック パラベラム」の原題は "John Wick: Chapter 3 - Parabellum" です。
これを日本語にすると「ジョン・ウィック: 第三章-パラベラム」。 「ジョン・ウィック」の部分が主題で、「第三章-パラベラム」の部分が副題です。
「ジョン・ウィック パラベラム」は「ジョン・ウィック」シリーズの3作目。 過去2作のタイトルは次のようなものです(カッコ内は公式の邦題):
- 1作目・・・John Wick(ジョン・ウィック)
- 2作目・・・John Wick: Chapter 2(ジョン・ウィック チャプター2)
作を追うごとにタイトルが長くなる傾向は一目瞭然。 第四作目のタイトルが、どれだけ長くなるのか? 実に楽しみです。 期待しています。