質問. 2022年に日本で公開された米国映画『モービウス』。 この映画のタイトル「モービウス」とは、どういう意味ですか?
回答.「モービウス」は主人公の名前です。 この人名の由来については以下をご覧ください。
1. 人名「モービウス」の由来
「モービウス」をアルファベットに戻すと "Morbius" です。
映画『モービウス』の主人公のフルネームは「マイケル・モービウス(Michael Morbius)」。 なので、「モービウス」は名字です。
"Morbius" という名の由来は、「病的な」を意味する英語の形容詞 "morbid"(1) だと思われます。
"morbid" の元々の意味は「病に関する、病の、病を引き起こす」。 ですが、そこから転じた「不健全な(2) 」や「ゾッとするような」という意味もあります。(1) "morbid" の語源は「病」を意味するラテン語の名詞 "morbus"。
(2) 「死や病などに強い興味を示す、死や病の方面にばかり注意が向く」という意味で「不健全な」。2. マイケル・モービウスについて
マイケル・モービウスは血液の難病と醜い容姿という重荷を負って生まれました。
でも彼は頭がとても良かったので生物学者として大成し、ノーベル賞を受賞しました。
やがてマイケルは、自身の難病を治そうとして吸血コウモリのDNAと電気ショックを併用する治療法を考案します。
ですが、その治療法は彼の病気を治すどころか悪化させ、マイケルは「偽バンパイア症(pseudo-vampirism)」になってしまいます。
2.1. 偽バンパイア症
偽バンパイア症になった結果マイケルは、
- 生きるために人の血を必要とする体になり、
- 光をひどく嫌うようになり、
- いっそう醜く(コウモリのような顔つきに)なり、
- 吸血鬼に酷似する能力(飛行能力・怪力・超スピード・高速治癒)を獲得します。
「偽バンパイア症」とは、ぶっちゃけ吸血鬼のことです。 吸血鬼のキャラクターを登場させるための、もっともらしい根拠が血液の難病であり、吸血コウモリのDNAです。
偽バンパイア症の感染
偽バンパイア症は感染するので、マイケルに血を吸われた者も吸血鬼と化します(*)。 感染した偽バンパイア症はマイケルの血液から作り出した解毒剤で治りますが、マイケル自身には言毒剤は効きません。
(*) 飛行能力や高速治癒は獲得しない。
2.2. 作中での扱われ方
マイケル(モービウス)は『スパイダーマン』でヴィラン(悪役)として登場するキャラクターですが、人間味も残しています(良心の呵責に悩まされたりする)。
映画『モービウス』では、マイケルが血液の難病を治そうとしてモービウスになってしまうまでが描かれます。