「ヴェノム」を英語に戻すと "venom" です。

映画「ヴェノム」の原題（元の英語のタイトル）も "Venom" です。

"venom" の意味は「ヘビやクモなどの動物が分泌する毒液」です。

「毒」を意味する一般的な英語は "poison"。 "poison" のうち次の２つの条件を満たすものが特に "venom" と呼ばれます：

1. 動物が分泌する。
2. 噛む/刺すなど能動的に使用される。

したがって例えば、植物が分泌する毒や、細菌が作り出す毒、化学兵器として用いられる毒は "venom" ではありません。 また、動物が作り出す毒であっても、触れられたり食べられたりして受動的に効果を発揮するフグの毒なんかも "venom" ではありません。

"venom" という英単語には、上述の「動物が他の生物に能動的に送り込む毒」という意味のほか、「悪意、嫉妬」という意味もあります。「毒のような感情」という意味でしょう。

「ヴェノム」という映画タイトルなのは、この映画の主人公の名前が「ヴェノム（Venom）」だからです。

主人公ヴェノムは人型の（宇宙生物が人間に取り憑いた）モンスターですが、Wikipedia によるとヴェノムは戦闘で毒を使用しないようです。

なので、この映画の主人公の呼称「ヴェノム」は、"venom" の「毒」ではなく「悪意」のほうの意味に由来するのかも。

映画「ヴェノム」の主人公ヴェノムは、米国の漫画レーベル「マーベル・コミック」でスパイダーマンの敵役として登場したのが最初です。