目次
1.「キャロル」の意味
1.1. 英語に戻すと
「キャロル」を英語に戻すと "carol" です。
"carol" の発音は「キャロル」ではなく「カラル」です。 "carol" の発音記号は /ˈkæɹəl/ 。
1.2. "carol" の意味
英英辞典に記載される "carol" の意味(建築関係の意味は除く)は次の通り:
名詞としての意味
- 《踊り》古来の輪舞(輪になって踊る踊り)。 歌を伴うことが多い。
- 《歌》喜びの歌、楽しい歌。
- 《歌》賛美歌、宗教歌。 特に、クリスマス向けのもの(=クリスマス・キャロル)。
上記は英英辞典を和訳したものです。 英和辞典では 3. の意味の訳語として「祝歌」や「キャロル」と記載しています。
「賛美歌」とは「神を讃えたり神への感謝を表したりする歌」のことです。動詞としての意味
- クリスマスにキャロルを歌う(特に屋外でグループで)。
- (クリスマスに限らず)元気よく楽しげに歌う。
- 賛美歌により(神への)称賛や感謝の気持ちを表す。
- 歌を歌って祝う。
- クリスマスの歌を歌いつつ家から家へと訪問する。
1.3. "carol" の意味の変遷
当初の "carol" は「輪になって歌いつつ踊る踊り」という意味でした。 当初の "carol" は「歌」ではなく「踊り」で、宗教と無関係だったわけです。
"carol" はそもそもは名詞で、それが動詞としても使われるようになりました。
その後、"carol" の意味の焦点が「踊り」から「歌」へと移動し、"carol" は「踊りに向く楽しげな歌」を意味するようになりました。
2.「クリスマス・キャロル」について
2.1. "Christmas carol" の意味
英英辞典では("carol" 1語ではない)"Christmas carol" の意味を次のように説明しています:
- キリストの誕生を祝ってクリスマスに歌われる宗教歌、賛美歌
- クリスマスに歌われるキリスト教の歌
- クリスマスのシーズンに歌われる歌(クリスマス・ソング)
辞書により定義が少し異なります。 上から下にいくほど広い意味になるように並べています。
2.2.「ジングルベル」はクリスマス・キャロルか?
クリスマスソングの代名詞とも言える「ジングルベル」は上記 3. の定義だと「クリスマス・キャロル」ですが、1. や 2. の定義では「クリスマス・キャロル」ではありません。 「ジングルベル」が宗教歌ではないからです。
「ジングルベル」の英語の歌詞を見ても、一向に神を讃えておらず、キリスト教の「キ」の字も出てきません。 歌詞には色恋も登場し、とても世俗的です。
2.3. クリスマス・キャロルの具体例
伝統的なクリスマス・キャロル
YouTube で "christmas carol" をキーワードに検索すると、"26 Popular Traditional Christmas Carols"(伝統的なクリスマス・キャロルのうちポピュラーな26曲)という動画が見つかります。
この動画は「清しこの夜(Silent Night)」は含みますが、「ジングルベル」は含んでいません。
現代的なクリスマス・キャロルも
Wikipedia のクリスマス・キャロルのページでは、1984年に発表された "Mary did you know?"(聖母マリアよ、あなたはご存知でしたか?)という曲もクリスマス・キャロルとみなしています。 この曲はポップ・ミュージックですが、歌詞の内容は全面的にキリスト教です。